環境に配慮したものづくり
吉井タオル株式会社、株式会社ワイエスティー、Yグループ協同組合INTERWORKSの3社は、2000年環境ISO14001の認証を取得し、環境負荷を低減したタオルづくりと、ロングライフなタオルづくりを進めています。
メーカーとして目指すべき究極の姿は、年間を通じて、つくってから売るのではなく売ってからつくる、売れ残りをつくらない商品の製造と販売を確立することにありますが、季節商品であるタオルを製造販売していることもあって、まずは環境ISO14001の柱である、PDCAのサイクルを業務に活かし、環境負荷を低減したサステナブルなタオルづくりに注力しています。
綿製品づくりには、多くの人の手間ひまがかかり、多くの生産加工ロスが発生し、一見生産性の悪いものづくりとみなされることも多いのですが、糸くずや綿くずをはじめとする廃棄物のほとんどが分別リサイクルされ、厚紙の原料となったり、再生繊維になったり、機械や航空機の清掃に活用されるウエスとして重宝される時代になっており、現在は不良品の発生を低減し、売れ残りをなくしていくことに注力し、環境に配慮したものづくりを進めています。
その一貫として、良く水を吸って良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地良く使い勝手が良いのはもちろんのこと、使い始めの使い心地が持続するロングライフなタオルづくりの比率を少しずつ向上させ、21世紀の環境に配慮したタオルグッズづくりにかかせないタオルづくりを実践するタオルメーカーを目指しています。
吉井タオル株式会社とグループ企業で使用している貴重な植物資源、綿糸がどのようにして作られ今治へ運ばれているのかをお知りになりたい場合は、過去のブログ(株式会社ユース)をご覧ください。2013年インド紀行
環境負荷低減をする排水処理
吉井タオルを中心とするタオル関連企業7社で1992年にYグループ協同組合INTERWORKSを設立し、織り上がった生地を連続拡布状態で染晒糊抜加工し縫製仕上げする染色整理工場を竣工し、密閉型&節水型の日阪液流染色機にて染晒糊抜加工を行ない、色ブレや染ムラの発生を低減しエネルギーロスを低減したサステナブルなタオルづくりを日々行っています。
特筆すべきは、縁あって、瀬戸内海の環境基準をクリアする、活性汚泥(バクテリア処理)方式の排水処理設備を導入し、物理的な糸くずや綿くずをすくった後の染晒糊抜加工による排水処理を行い、環境負荷を低減した、タオルの染色整理を日々行っています。【処理後の水が留まる水路で鯉が元気に育っています】
活性汚泥(バクテリア処理)により、水溶性の絵具に近い反応染料と糊の排液が24時間かけて分解され浄化されていく具体的なメカニズムとプロセスを記すことは出来ませんが、自然のバクテリアの力を借りて水を浄化していく産業に携われていることを有り難く思うとともに、この染色整理工場を存続発展させていく、前向きな試行錯誤を進めて行きます。
クラフトマンシップ(技術技能の継承)
綿織物づくりから進化して発展した今治のタオルづくりを受け継ぎ、次の世代に引き継いでいくために、一企業が出来ることは限られていますが、今治タオルのブランディングに際し、佐藤可士和氏が提唱された、「今あるものを磨く」を拠り所として、21世紀の豊かな生活を考える上でかかせないグッズに今治のタオルを昇華させていく前向きな取り組みを進めています。
世界的にも稀な、清冽な今治の水(天然の軟水に)恵まれた今治のタオル産地を、今後存続発展させていくことが、目に見える付加価値をうみ出すメーカーの使命であり、そのためにも、常温常圧の釜で、時間と手間ひまをかけた糸と生地の加工を施した価値あるタオルづくりを伝え拡げて行くことを明確にして、賛同いただけるお客様との取り組みを強化してまいります。
当面の課題として、価値あるタオルづくり存続発展していくための人材を確保し育成し委ねて行くことに注力していかねばなりませんが、日本全体での人手不足が顕在化する中、これを一企業だけで成しうることにはなりませんので、このHPなどを起点として、広く人材を募集し縁をつないでまいりますので、御支援御協力のほど、よろしくお願い致します。