用途・目的・T.P.O.に沿った
タオル(生地)は、タテ糸ヨコ糸に、パイル糸を組み合わせて織り上げられています。
タオルのボリューム、コシ(握り感)、やわらかさ、吸水性、乾燥性、の差は、糸の組み合わせ、織上げる密度、ならびに、糸と生地の加工方法と加工度合いの差によって表われます。
用途・目的・T.P.O.に沿って、良く水を吸って良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地良く使い勝手の良いタオルをつくるために、手肌に触れる糸には、綿花の銘柄を指定し吟味し、糸の太さと撚り回数を指定して紡いだ、タオル専用糸を使用しています。
糸の太さと撚り回数を指定して紡いだ、タオル専用糸は、清冽な今治の水を頼みに常温常圧の釜で手間ひまをかけて先晒され、タテ糸ヨコ糸と組み合わせて織り上げられ、綿花と綿糸の特性を引き出したタオルに織り上げられます。
良く水を吸って良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地良く使い勝手の良いタオルづくりを実現するために、用途・目的・T.P.O.に沿って、良い加減のボリューム、コシ(握り感)、やわらかを持つタオル(生地)づくりを進めています。
銘柄を指定して吟味された綿花
綿花や綿糸の銘柄の違いによってのみタオルの使い心地や使い勝手が決定づけられる訳ではありませんが、当社は、昭和50年代より、良く水を吸い良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、綿が本来持っている、やさしいやわらかさを引き出したタオル、やさしいやわらかさの持続するタオルをつくるために、世界の様々な綿花の中から、特定の繊度(綿毛の太さ)繊維長(綿毛の長さ)の綿花を指定して吟味し、糸の紡ぎ方・太さ・撚り回数を指定したタオル専用糸を、開発して使用しています。
綿花を指定して吟味するとは、綿花畑と綿花マーケットに足を運び、指定した綿花の、成熟度が最も安定しているとされている二番摘みの綿花の、夾雑物が少ない綿花を確保し、短繊維(短い綿毛)の少なくする綿と種の分離がされているかまで確認することです。
紡績商社の方々と連携し、減農薬栽培され手摘みされている綿花の中で、輪作などを積極的に採り入れて、持続可能な綿花づくりに携わる関係者との信頼関係の構築と醸成を進めてもらっています。
素材の特性を最大限に引き出す
タオルのボリューム、コシ(握り感)、やわらかさ、吸水性、速乾性、の差は、糸の組み合わせ、織上げる密度、ならびに、糸と生地の加工方法と加工度合いの違いによって生じます。
用途・目的・T.P.O.に沿って、良く水を吸って良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地良く使い勝手の良いタオルをつくるために、太さと撚り回数の異なるタテ糸ヨコ糸ならびにパイル糸をバランス良く組み合わせて織り上げるとともに、糸と生地の特性を最大に引き出して持続させるため、良い加減の加工を施すタオルづくりに力を注いでいます。
パイル糸の長さ(パイル倍率)を調整したり、織物としての密度を調整し、見た目のボリューム・コシ(握り感)を変化させるだけでなく、糸と生地の加工(染晒)方法と加工度合いにまでこだわることによって、用途・目的・T.P.O.に沿って、使い心地良く使い勝手が良く、使い始めの使い心地の良さの持続するロングライフなタオルづくりを進めています。糸と生地の加工度合いの違いは、常温常圧の釜で、時間と手間ひまをかけて、糸と生地を加工するかどうかにより生じます。
清冽な水(天然の軟水)を頼みに
清冽な水(天然の軟水)を頼みに、常温常圧の釜で、時間と手間ひまをかけて、必要最小限の化学薬品と糸や生地を反応させて “ 素材の特性を最大に引き出す(素材の特性を損なわない) ” 加工を、納期コストとのバランスを取る中でも、地元の染晒工場各社にmustとして依頼しています。
それは、常温常圧の釜で、時間と手間ひまをかけて、染晒ならびに糊抜きがされた糸には、吸水性を持つ中で良い加減の油分と蝋質が残され、それによって、洗濯仕上時に柔軟剤を加えなくても、綿花綿糸が本来持っているやさしいやわらかさが持続していることを知っているからです。
素材の特性を把握し、素材の特性を引き出す経験とノウハウを持って、綿花を指定し吟味した糸をつくり組み合わせ、恵まれた清冽な水を頼みに、時間と手間ひまをかけた 良い加減の加工がされることにより 良質で本物と評価される今治の【先晒し】タオルが生み出されていきます。
使い心地よく使い勝手のよい
今治タオルのブランディングが順調に推移し、白いタオルをはじめ、良く水を吸って良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地よく使い勝手の良いタオルを購入しリピートされ、大切な人への贈り物にされるお客様が増えています。
色柄デザイン・サイズ・ボリュームといった見映えの良さや、店頭での触り心地の良さだけではなく、多様化する生活シーンの中で、実際に使ってみて良かったタオルを、リピートされ贈り物にされるお客様が増えています。
当社は、そのお客様の思いと期待に応えるべく、使い心地の良いタオルであって、日々の洗濯とりまわし(使い勝手)の良い 程良いボリュームとサイズのタオルづくりに力を注いでいます。
手や顔を拭いた時に、思わず顔をうずめたくなるような心地よさ、体を拭いた時に、抱かれて包まれるような心地よさを感じるボリュームとサイズのタオルであって、冬の晴れた日の午前8時頃干して午後4時頃には乾いている、部屋干しにも負荷のかからない、コンパクトサイズのタオルをつくり伝え拡げています。
初期の使い心地が長続きする
お店で見て触ってイメージした使い心地使い勝手と、実際の使い心地使い勝手にギャップがあったかなかったかどうかはもちろんのこと、使い始めの使い心地がどれだけ持続したかどうかによって、お客様が購入されたタオルをリピートされたり、大切な人への贈り物とされるタオルになれるかどうかが左右されると私共は考えます。
使い心地の良さを考えてつくられたタオルは数あれど、使い勝手の良さまで考えてつくられたタオルは少なく、それにもまして使い始めの使い心地が持続する、良質で本物と評価されるタオルはまだまだ少なく、そういったタオルをつくり伝え拡げていくことが、当社のこだわりであり、当社のタオルづくりの指針となっています。
良質で本物と評価される魅力あるタオルであって、店頭での見ばえと触り心地が良く、始めてのお客様にも購入していただけるタオルもつくってゆかねばなりませんが、使い心地よりも使い勝手の良さを重視される方々にリピートされ、大切な人への贈り物にされるタオルづくりは、環境負荷を低減するタオルづくりに繋がります。
吸水性と乾燥性の両立する加工
良質で本物と評価されるタオルは、良く水を吸い良く乾くタオルの基本を踏まえたうえで、使い心地良く使い勝手の良いタオルであることが求められますが、その中でも特に、使い始めの使い心地が持続することと、部屋干しをした際に、少しでも乾きが早いタオルが求められるようになっています。
それを両立したタオルをつくるためには、タオルの糸を先晒し(精練漂白)する際に、綿の吸水性を引き出しつつ、綿が本来持っている油分と蝋質を良い加減で残し、綿と糸が持っている吸水性を引き出すと同時に、乾燥時の水離れを良くする糸の晒が施されます。
近年になって、月に1回ぐらいの頻度でタオルだけを洗い、すすぎの際に液体せっけんとお酢を少量加え、使い込んだタオルのパイルを立たせ、タオルを長持ちさせる方法が知られつつありますが、糸を先晒して織り上げるタオルづくりは、タオルの糸に吸水性を持たせた上で、綿が本来持っている油分と蝋質を良い加減で残す、良質で本物と評価されるタオルづくりにつながっています。