タオルの、ボリュームのあるなし/コシ(握り感)のあるなし/
かたい
やわらかい/吸水性や乾燥性のあるなしといった差は
“ 糸の差 ” だけではなく “ 糸の組み合わせ、糸と生地の
加工度合い ” により生じます。
綿花の繊維長・繊度・紡績方法・撚回数などにより、基本的な
糸の太さ/強さ/かたいやわらかい の差がある、タテ糸・
ヨコ糸・パイル糸を組み合わせていく中で、当社は、それぞれを
バランス良く組み合わせ、イメージするボリューム/コシ/
触り心地にする ということと、それぞれの特性を最大に
引き出す加工を施すということを意識しています。
見た目だけのボリュームは、パイル糸の長さ(パイル倍率)を
調整して容易に変更出来ますが、タオルを実際に使って感じる、
コシ(握り感)のあるなし、パイル糸だけではない、タオル全体
としてのかたいやわらかい、吸水性のあるなしの差は、
組み合わせる3つの糸の太さと密度により生じます。
それに、糸と生地それぞれの加工の差がつくことにより、同じ
糸と糸の組み合わせにしても、明らかに使い心地と使い勝手の
違うタオルがつくられます。
糸と生地の加工の差は、糸と生地の染晒しや糊つけ糊抜きをする
際に、常温常圧で、時間と手間ひまをかけ、清冽な今治の水と、
必要最小限の化学薬品と、糸と生地を反応させることにより
生じます。
清冽な水に恵まれた土地でタオルをつくったとしても、ロット・
納期・コストが絡み、 “ 素材の特性を最大に引き出す
(損なわない) ” 糸と生地の加工がされたタオルづくりは
限られますが、当社は、時間と手間ひまをかけた加工を
心がけています。
それは、素材の特性を最大に引き出した、使い心地良く
使い勝手の良いタオルのパイル糸には、良い加減の油分と蝋質が
残されており、それにより、良く水を吸い良く乾くタオルで、
かつ、綿が本来持っているやさしさとやわらかさが持続し、
洗濯時に柔軟剤を加えなくても、やわらかさが持続するタオルが
生み出されることを知っているからです。
素材の特性を把握し、素材の特性を引き出す経験とノウハウを
持って、綿花を吟味して糸をつくり、糸を組み合わせ、
良い加減の加工がされることにより、良質で本物と評価される
タオルが生み出されます。